さざなみ学園は
滋賀県彦根市にある児童心理治療施設です

児童心理治療施設とは、「心理的困難や苦しみを抱え、日常生活の多岐にわたり生きづらさを感じて
心理治療を必要とする子どもたちに対し、治療を行う施設」です。
【児童心理治療施設(前:情緒障がい児短期治療施設)の運営指針より】

子どもたちは一定期間、家族のもとを離れ、施設で生活します。
施設での生活指導を基盤に、医療、心理治療、学校教育(隣接する県立鳥居本養護学校小学部・中学部・高等部)が連携し、
家庭へのアプローチや地域支援などを含め、総合的に治療・支援を行います。

運営理念

私たちは、生きづらさを抱えた子ども達の権利を擁護し、環境を整え、
子ども達の健全な発達保障と社会自立を目指します。

基本方針

  • 地域に開かれた適正な施設運営に努め、福祉サービスの充実、質の向上を目指します。
  • 保護者、地域社会(学校・地域・関係機関)と連携に努め、児童をとりまく諸課題を共に解決していきます。
  • 児童の人権を擁護し、主体性を尊重した支援と自治的精神の涵養に努めながら、個々の児童を援助していきます。
  • 個々の児童に対して正しい理解と適切な療育を行い、信頼関係を回復し、自立の力を身に付けられるよう援助していきます。
  • 児童がより生きがいをもてるように、生活体験のプログラムの構築と生活環境の調整・整備を行っていきます。
  • 学校教育との協調連携を密にし、児童の共通理解を深めると共に、指導の一貫性を図るように努めていきます。
  • 協力して療育に当たれる民主的な職員集団の形成に努めると共に、学識や学際的な技法の導入の必要性に鑑み、社会の諸機関との連携を密にしていきます。
  • 地域社会の福祉ニ-ズの掌握に努め社会貢献できる施設となるよう、施設機能を発展させ施設設備の充実を図っていきます。

具体的な取り組み

子どもたちの日常生活への寄り添い

施設の環境を利用し、子どもたちの日常生活に寄り添うケアワーカーと心理治療を行うセラピストを中心に全職員がチームを組んで、子ども個々の課題の克服に向けてお手伝いをします。日常生活に寄り添う中で、基本的な生活習慣の獲得に努めます。また余暇の時間を利用し、キャッチボールやサッカー、その他のスポーツ、音楽活動、物作りなどを子ども達と一緒に行います。

就労・実習・自立体験

施設に入園している高学齢の子ども達が自立に向けて具体的な目標や持つことができるよう、希望した企業や事業所にご協力をいただき、就労体験や職場実習、アルバイトなどを積極的に行っています。実際の仕事の内容やその場にふさわしい言葉遣い、マナーが習得できるだけでなく、金銭感覚の育成、達成感の獲得にもつながっています。
また、在園中に施設退所前の数か月間、学園を退園した後の生活がイメージできるように、自立のためのユニット(男女別、各3部屋・キッチン・トイレ・バスを完備)に生活の場所を移し、個々の生活リズムが確立できるよう、自炊(食材の買い物、土・日のアルバイトには自身で弁当を作る)等の自立体験を継続的に行っています。

スクールサポート事業

学校・教育委員会からの要請に応じ、地域の小中学校に出向き、スクールカウンセリングをおこないます。カウンセリング内容としては、児童の諸課題において、先生方と情報共有し課題に対しての対応や支援策の提言を行う一方、児童や保護者と面接をします。また、適応不全学級の巡回や、不登校対策やいじめ対策などのケース検討会に参加する中で、専門家(心理士)としての助言を行います。

施設の概要

設置主体

法人名社会福祉法人さざなみ学園
理事長平田 善麿
設立年月日昭和38年4月1日

施設の種別及び名称

種別児童心理治療施設
施設名こころとからだの療育センターさざなみ学園
所在地〒522-0004 滋賀県彦根市鳥居本町1586番地
施設長辻 亨
定員入所50名

施設の沿革

1962(S37)年 3月彦根に虚弱児施設を建設するため、彦根市が主体となって「財団法人彦根虚弱児施設建設委員会」が設置される。
1963(S38)年 3月児童居室棟兼管理棟・食堂棟・教育棟の3棟が竣工する。
1963(S38)年 4月虚弱児施設を定員60名で開園。
竣工式、開園式が挙行される。
施設内に鳥居本小学校虚弱児学級が併設される。
1963(S38)年 7月社会福祉法人として認可をうけ、財団法人より運営が移管される。
1965(S40)年 1月施設内に鳥居本中学校虚弱児学級併設される。
1977(S52)年 4月鳥居本小学校虚弱児学級が県立大津養護学校に移管され、鳥居本分校となる。
1978(S53)年 4月鳥居本中学校虚弱児学級が県立大津養護学校に移管され、鳥居本分校となる。
1981(S56)年 4月県立大津養護学校鳥居本分校に高等部が設置される。
1984(S59)年 4月県立大津養護学校から独立し、県立鳥居本養護学校になる。
1992(H4)年 8月虚弱児施設園舎の移転改築、地域交流施設・自立促進ホームの新築工事が始まる。
1993(H5)年 5月創立30周年記念式典及び新園舎竣工式を挙行。
新園舎において事業を始める。
1998(H10)年 3月児童福祉法改正による虚弱児施設の廃止申請が承認される。
1998(H10)年 4月定員50名の情緒障害児短期治療施設として県より認可を受け事業を開始。
「こころとからだの療育センター」と呼称する。
2017(H29)年 4月児童福祉法改正の施設種別名称変更により児童心理治療施設となる。

職員構成

職名男性女性合計
施設長11
医師1(1)1(1)
ケアワーカー911(2)20(2)
セラピスト527
看護師11
栄養士11
調理員等213
書記112
地域・里親支援112
合計20(1)18(2)38(3)